◉ペインサイエンス・疼痛科学について。そもそも痛みとは?
こんにちは横浜市大倉山の整体デルモです。
・痛みとはなにか?
・痛みの原因はなにか?
それを、科学的根拠や科学的な機序から解明していこうというのがペインサイエンスです。
◉痛いマッサージは非常識。
肩こりや腰痛などで痛みに苦しんでいる方に対して、強いマッサージなどで痛みを和らげる。
これって当たり前に思うかもしれませんが、実は非常識なことなんです。
◉痛みで痛みを消すのはDNIC。
その「痛みを痛みで消す理論」はDINCといいますが、40年以上前から言われている理論であり、一時的な気分の変化でしかありません。
◉痛気持ちいいのはエンドルフィンのおかげ。
そして強いマッサージは、痛気持ちいいので癖になってしまいますが、それはエンドルフィンという脳内の神経伝達物質のおかげです。
その物質には鎮痛効果や依存性があるのです。
◉身体はボロボロになり、筋肉のコリはどんどん増える。
しかし、炎症は強く揉めば揉むほど悪化します。
そして皮膚には皮神経がありますので、その皮神経も押しつぶすこととなり悪影響を与えます。
神経が炎症している場合はより酷いことになるでしょう。
つまり、気分的には良い気がするけど、身体はどんどん緊張してボロボロになり、慢性疼痛へ一直線というのが強いマッサージなのです。
そして、それが世間でよく言われる揉み返しです。都合よく好転反応などど言われますが、単なる損傷です。
◉筋膜でもトリガーポイントでもツボでも同じこと。
セラピストの理論的には、筋膜を刺激していると思っていても、トリガーポイントを押していると思っていても、ツボを刺激していると思っていても、痛いアプローチをすれば同じ機序で鎮痛が起こっています。
セラピストがどんな仮説で施術をしようが、痛いことをしたらこのDNICによる鎮痛効果ということが、ペインサイエンスの答えなのです。
◉主訴ではない遠くの部位に痛いアプローチをするのも同じ。
筋膜のつながり、経絡、筋連結、○○ラインなど、主訴から遠い部位に痛いアプローチをする手技も多くありますが、これも同じです。
結局は痛みを与えて、元の痛みを抑え込んでいるだけのこと。
逆に主訴の部分が放置されて悪化してしまいますし、関係ない部位にも痛みが広がってしまいます。
実際、クライアント様の中にも太い鍼を刺されて、どんどん痛みが広がり、座っていられないくらい悪化してしまった方もいらっしゃいます。(もちろんDNMとセルフケアとアドバイスで無事改善しました)
◉痛みは筋肉や筋膜などの組織から起こっているのではありません。
痛みは組織から出ているという「デカルト時代360年前の痛みモデル」という昔の考え方のままのセラピストが大多数なのが日本の現状です。
しかし、痛みは組織から脳への入力信号ではありません。
脳からの出力信号なのです。
結論として、痛みを痛みで消すアプローチは一時的であり、さらに炎症が増え、筋緊張/コリも増え、痛みの記憶が脳内で増え、興奮した交感神経優位のまま不眠や頭痛などになってしまう前時代的な方法ということになります。
ではどうすればいいのでしょうか?
その答えは「神経系」に隠されています。
◉痛みは神経系で起こっている。
痛みは、身体からの情報、脊髄レベルでの敏感さの増加、脳内の記憶や恐れ、過去のトラウマ、日常のストレス、不眠、食生活、運動習慣、慢性炎症などが複雑に絡み合った現象なのです。
つまり、よくセラピストがいうように「痛みの原因は○○で、そこを改善すれば治ります。」なんてことは、ペインサイエンスを知っていれば言えません。
そんな単純な現象に対峙しているのではないのです。
国際疼痛学会が言っているように、様々な要因が複雑に絡み合った個人的で主観的な体験が痛みなのです。
だからこそ、相手を傷つける可能性のある。痛いアプローチやノセボになる冷たい言動を慎むことこそがセラピストの最低限のマナーです。
◉痛みに対しては、優しさと対話型の施術が必須。
DNMはペインサイエンスを大切にしているので、優しさと傾聴、そしてクライアント様の感覚を聞きながら一緒に決めていくという対話型の施術を行っています。
・セラピストが一方的に施術をするのではなく、一緒に施術を決めて進めていく。
・痛いことをしない。
・脳につながっている末梢神経や皮神経を考慮する。
それがペインサイエンスの常識なのです。
ぜひこのコラムを読んで、痛みとは何か?について考え直してみてください。きっと何か気づきがあることでしょう。