線維筋痛症の原因とは?薬以外の対処法について

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◉線維筋痛症の原因とは?薬以外の対処法について。

線維筋痛症の原因は今現在も明確には確定していませんし、薬以外の対処方法の効果も、人によってバラバラです。

線維筋痛症は慢性疼痛の重いものである、という考え方に立てば、原因が特定できないという点や、効果のばらつきも理解できると思います。

なぜなら国際疼痛学会が言っているように、痛みとは個人的で主観的な体験であり、バイオサイコソーシャル全てが複雑に絡み合った現象だからです。

今回は、慢性疼痛線維筋痛症診療ガイドライン2017を参考にしつつ、可能性を探っていきたいと思います。

◉発症原因の可能性があること

・身体的ストレス。

↪︎外傷、外科的手術、交通事故、妊娠出産、感染症、ワクチン摂取、更年期障害など。

確かに過去の手術歴がある方は多い印象です。

・精神的ストレス。

↪︎家庭環境の変化、家庭環境自体がストレス、職場の変化、職場自体がストレス、親子関係、兄弟姉妹関係、知人関係、幼少期の身体的・精神的ストレス、虐待など。

小さい頃あまり良い家庭環境じゃなかった方も多い印象です。

◆生まれつきの要素。

↪︎遺伝的要素、アレルギー体質(後天的な面もある)

◆慢性疼痛を維持して増やしてしまう要素。

↪︎家庭、職場、学校などの心理社会的な日常的ストレス、不眠、不安、うつ、睡眠障害、低収入、社会的地位の低さ、肥満、運動不足、喫煙、日照時間の少なさ、孤独感など。

慢性痛の方にも多いですが、今の職場や家庭の人間関係がうまくいっていない人が多いです。運動不足も全身の炎症を増やすので痛みにとってはマイナスとなります。

◉どのようなことが起きているのか?

画像撮影で何も発見されないことが多いので原因不明とされてしまいます。

もちろん慢性痛の方でも末梢神経や皮神経の状態は画像にはうつらないので、ざっくりした肩関節周囲炎や筋筋膜性疼痛などと言われてしまいます。

◉線維筋痛症で起こっている可能性があること。

このような変化が起きていると言われています。

・脳を含めた神経系とそれを維持するグリア細胞の変化。

↪︎中枢性感作、グリア細胞、神経炎、脳内神経炎症。

・細い神経線維の変化。

↪︎細径末梢神経線維の障害、small fiber neuropathy (SFN)

あと他にも画像や電気診断でわからないと言われているのは、末梢神経にある侵害受容線維「神経幹神経」など、細い線維による侵害受容です。

◉どうしたら良いの?

まず痛みというのは国際疼痛学会でも示唆されているように「主観的で個人的な体験」と言われています。

ですので、痛みを客観的に評価するというのは非常に難しいのです。

慢性疼痛は複雑に絡み合っており、下記のようなことを行なっても、必ずしも変化するとは限りません。

しかし、対処療法は副作用がほぼないので、たみしてみて効果がなければ止めればいいと思います。

もし効果を感じればしめたもの。義務ではなく、楽しみながら行えれば尚良いです。

・食事内容

↪︎食物線維を多くとり腸内環境をよくする。

逆に脂肪分を取りすぎたり、アスパルテーム、グルタミン酸ナトリウムなどの添加物は制限した方がよいです。

また糖質は炎症を起こしやすくするので、甘いお菓子、ジュースなどは控えた方が良いです。

・軽い飲酒

↪︎飲みすぎたら逆効果ですが、リラックス感や、社会性を高めるという意味で良いかもしれないと言われています。

ただし炎症を増やす可能性もあるのであまりオススメはしません。

・運動

↪︎運動、ヨガ、ピラティス、太極拳などは、エビデンス的には効果がある場合があります。

身体的にも精神的にも頑張りすぎなければ良い影響があります。

痛いのに無理して動かすと筋緊張が増えてしまうので、何となく楽だなとか心地よいなくらいの刺激量で、ご自身の感覚を重視しながらゆっくり動けたら良いと思います。

また散歩などの軽い運動でも炎症が減るので、毎日気分転換も兼ねて行うと良いですね。

・その他五感への刺激など。

↪︎温泉療法、温熱療法、寒冷療法、音楽療法(リラックスできる音楽を聴く)、ゆっくりとした呼吸。

温めるのか冷やすのかについては個別性が高いので、予後が良い方の選択すると良いと思います。

なぜなら末梢の要素が低い可能性があるので、脳への刺激として心地よい方がいいからです。

・徒手やリハビリ

↪︎マッサージ、徒手療法、ストレッチ、筋力増強訓練、リハビリ、認知行動療法。

人から触れること、動かされること、自分で動くことなどが良いということです。

しかし、強い刺激は百害あって一利なしです。慢性痛の方よりも神経系が敏感になっていますので、強いマッサージ、鍼、痛い指圧などは絶対に避けてください。

◉まとめ

少しずつでも実践できるものからゆっくり取り組むと良いと思います。

無理せず、焦らず、頑張りすぎず、楽しむ余裕が出てくればしめたもの。

何か好きなことに没頭していると痛みは感じにくくなります。

痛みは個人的で複雑なものです。どれに関しても、ご自身のなんとなく良いなという感覚を重視しながら、試してみてください。

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