プレガバリンは線維筋痛症の10人に1人しか効かず、副作用は約80%に起こるという論文。
プレガバリン/リリカについての論文と、信頼性が高いと言われるコクランシステマティックレビューの論文を取り上げます。
◆研究1
プレガバリンやガバペンチンは、帯状疱疹後神経痛や糖尿病性末梢神経障害などの神経障害性疼痛を持つ一部の人には、第一選択治療として有効である。
それらは腰痛、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症、または一時的な片頭痛には効果がなく、これらの症状に対する適応外使用は推奨されない。
線維筋痛症
コクランレビューによる高品質のエビデンスに基づき、プレガバリン(1日あたり300~600 mg)を服用する中等度から重度の線維筋痛症患者の10人に1人は、12~26週間で痛みが30~50%減少する。
線維筋痛症におけるガバペンチンのエビデンスは、試行回数が少なく、入手できるエビデンスの質が非常に低いため不明である。
腰痛のためにプレガバリンを5年ぶりに中止した患者は、「プレガバリンを完全に止めるのに3週間かかりましたが、そのおかげでだいぶ楽になりました。腰痛はあまり変わっていませんが、眠気が少なくなり、仕事ができるようになりました。」
Pregabalin and gabapentin for pain
Stephanie Mathieson research fellow , Chung-Wei Christine Lin professor, Martin Underwood professorSam Eldabe professor .
◆研究2
コクランシステマチックレビュー
主な結果
高品質のエビデンスは、中程度または重度の線維筋痛の痛みを持つ10人に1人が、12~26週間で1/3から1/2へと痛みが大きく減少したと報告している。 これは線維筋痛症患者が有用であると考える結果である。 プレガバリンの投与量は1日300~600 mgであった。
すべての治療グループの参加者の過半数(70%~90%)が有害事象を経験した。
副作用は、10人中8人または9人に発生し、しばしば薬に適応している間に発生した。特に副作用は、めまい(4人に1人)、眠気(7人に1人)、体重増加(18人に1人)、末梢性浮腫(19人に1人)だった。
…しかし、圧痛点検査を用いない基準では、男女比はほぼ等しくなる。線維筋痛症の研究基準を用いて一般集団で行われた研究では、男女比は4:1から1:1になっている。
Pregabalin for pain in fibromyalgia in adults (Review)
Cochrane Database of Systematic ReviewsDerry S, Cording M, Wiffen PJ, Law S, Phillips T, Moore RA
Sheena Derry, Malene Cording, Philip J Wiffen, Simon Law, Tudor Phillips, R Andrew Moore
◆まとめ
まとめるとこのようになります。
- プレガバリンは、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性末梢神経障害などの神経障害性疼痛には有効。
- 腰痛、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症、片頭痛には効果がない。
- プレガバリンは線維筋痛症に対して10人に1人は効果がある。
- 有害な副作用は70〜90%に起こる。(めまい、眠気、体重増加、浮腫)
- 線維筋痛症への圧痛点検査をしない場合は男女差が等しくなる可能性。
コクランのシステマティックレビューの方は、線維筋痛症ガイドライン2017にも記載されています。
薬に関しては担当の医師の判断を仰いでください。