◉背骨のズレは存在しない?サイエンスから見た5つつの理由とは。
本日はカイロプラクティックや関節マニピュレーションなどでいう、背骨のズレについて、サイエンスの視点からお話しします。
◉その1. 背骨のズレが起こるというエビデンスがない。
事故や怪我などでは起こり得ても、通常生活できる方の背骨がズレていたら大事です。
痛すぎてすぐに救急車を呼ぶレベルです。
背骨は通常そんな簡単にズレません。
サブラクセーションという単語が、カイロ用語でありますが、医学用語でもなく明確に定義もされていません。
通常の肩こり腰痛レベルであれば、骨盤の歪みも背骨のズレもありません。
◉その2. 背骨のズレが内臓に影響を与えるというエビデンスもない。
背骨がズレているから神経を圧迫して、内臓に影響を与えるという説も聞きますが、これも海外の論文からエビデンスがないと否定されています。
◉その3. どの背骨を矯正しても効果は変わらないというエビデンスがある。
海外の研究ですが、「セラピストがある背骨に問題があると思った場所にバキバキした時と、ランダムにした時、共に症状は軽減した」というものがあります。
つまり、背骨がズレていたわけでもなく、バキバキでそれが治ったから症状がなくなったわけではなく、その刺激によって、中枢神経/脳からの神経伝達物質がでで、鎮痛を起こしたということなのです。
つまり、強い刺激によるDNIC(痛い刺激や強い刺激によって起こる一時的な鎮痛効果)です。
◉その4. 効果は神経系によるものという結論。
先ほどの研究の結果が、今お話ししたような神経生理学的影響による効果だと言っています。
痛み刺激による鎮痛だけではなく、バキッという音やその刺激によるプラセボ効果も考えられます。
実際、整形外科の先生でも、スラストは、深部への強い感覚入力だと言ってる方もいます。
◉ その5. 首をバキバキは事故が多いので危険だというエビデンスがある。
Instagramでよく見かけますが、首をバキッとするのは非常に危険です。
厚生労働省からも首へのバキバキ(頚椎へのスラスト)は危険だと認定されています。
そもそも背骨のズレは存在しなく、その効果も中枢神経系のものであれば、高速で深部に強い刺激を加える必要がありません。
◉整体/徒手は優しくゆっくり感覚を聞きながら行うこと。
優しくゆっくり動かして、クライアント様の感覚を聞けばいいだけです。
怖かったらやめればいい。痛かったらやめればいい。
そもそも、怖がることや痛がることを慢性痛の方にやるべきではないというのが、ペインサイエンスによる答えです。